ボイスドラマ「ゼロ先生の追試大作戦」(ぜろせんせいのついしだいさくせん)

脚本/さのや


【あらすじ概要】
どこかのファンタジー世界でのおはなし。

ミリオン魔法学園の生徒・アルトとカノンは、
いつもとんでもない課題を出すゼロ先生の追試を受けることになってしまう。
課題のある資料は、ゼロ先生の呼び出した悪魔のうろつく旧校舎内にあるという。
しかしその悪魔はかわいらしい小動物だった。
こうして、アルトとカノンは無事課題を提出することができたのだった。
…その後の校舎で、行方不明者が続出するようにはなったが。

【脚本中記号について】
「」…キャラのセリフ(括弧なしはモノローグだと思っていただければ!)
()…状況説明・セリフの演技指定
※ …前後の状況説明など

【他】
・セリフの方は言い辛ければ言いやすいように語尾・言い回しを変えていただいて構いません。
・セリフが二行に渡っている部分なども一部ありますので、見落としにご注意いただければ
幸いです。(こちらでもよく見落としたりするので…;)

【キャラクター】

アルトゥーラ・ハイランド(アルト) 男/16歳
ミリオン魔法学園に通う元気系少年。ツッコミ役。
主にゼロ先生のせいでいつも大変な目に遭う。

声質:高〜中/元気系の少年声
叫びが多いですが、大変でしたらテンションいくらか落としてください(笑)
(セリフ:34)

カノン・シュトローム(カノン) 女/外見10歳前後
アルトのちびっこクラスメイト。かわいい顔してちゃっかり屋さん。
バグか何なのか、全てのステータスがバカ高いスーパー妖精。

声質:高〜中/元気系少女声
ひたすら脳天気な感じです。少しおつむが足りないのかもしれません。
(セリフ:28)

ゼロ・カンパネルラ(ゼロ) 男/外見20歳前後
学園の教師。マイペースな青年。
とんでもない課題を出しては生徒達を困らせている。

声質:高〜低/マイペース系青年声
マイペースな感じであれば他はお任せします〜
(セリフ:38)


(↓以下シナリオ本文)

【シーン01:オープニング】

番号 セリフ・効果音など 状況など
  (BGM〜タイトルコール)  
ゼロ/ze01 ボイスドラマ「ゼロ先生の追試大作戦」。始まるらしいですよ。 (※タイトルコール)
  (BGM〜フェードアウト)  

【シーン02:追試は突然やってくる】

番号 セリフ・効果音など 状況など
  (爽やかな小鳥の鳴き声と学校のチャイム)  
ゼロ/ze02 「先生、君達にはガッカリしました。」  
ゼロ/ze03 「今回のテストで再追試なのは君達2人だけです。カノン・シュトロームくんにアルトゥーラ・ハイランドくん。」  
カノン/ka01 「はーい。」 (のん気に)
アルト/al01 「うぃっす。」 (やる気なく/
もしくはご自由に)
ゼロ/ze04 「なんで君達はそうなの。若いんだからしゃきっとしなさい、しゃきっと。」  
アルト/al02 「つーか、先生ー。正しくは生き残ったのが俺達、なんじゃねぇの?」  
カノン/ka02 「最初のテストはドラゴン退治、次は魔獣ケルベロス退治だっけ。
皆、病院送りになっちゃったんだもんね!」
 
ゼロ/ze05 「合格しない子がいたら合格するまでやる主義ですよ、先生は。」  
アルト/al03 「…聞いてねぇし。責任も感じてねぇし。この人。」  
カノン/ka03 「まぁまぁ、アルトくん。もしかしたら先生も、3度目の正直でまともな課題を出してくれるかもー?」  
ゼロ/ze06 「失敬な。先生はいつも真面目でまともな課題を出してますよ。
…えー、今回のテストはですね、旧校舎にある資料をもとにレポートを作成して提出するだけです。
簡単でしょ?」
 
アルト/al04 「うわ、思ったより普通だ!」  
カノン/ka04 「わー、ゼロ先生にしては珍しく常識的なテストだね!」 (明るく)
ゼロ/ze07 「ただし、予め(あらかじめ)旧校舎に悪魔を召喚しておきましたので気をつけてください。」  
アルト/al05 「何してんの!?何してくれてんのこの人!?」  
カノン/ka05 「うっわー…先生、余計なことするね。」  
ゼロ/ze08 「だって、ふつーに課題を提出してもらうだけじゃつまらないじゃないですかー。…先生が。」  
アルト/al06 「そんな理由かい!!」  
ゼロ/ze09 「教師だって人間です。退屈でしょうがない時もあるんです。」 (真面目口調)
アルト/al07 「俺達のクラスは先生の退屈しのぎでほぼ全滅したのか…」 (がっくり)
カノン/ka06 「アルトくん、ゼロ先生には何言っても無駄だよ…しょうがないから行こ行こ。ほら、せんせーも!」  
ゼロ/ze10 「え、僕もですか?」  
カノン/ka07 「だってこれ、テストなんでしょ?ちゃんとやり遂げられるか見ててくれないと。
ま、あたし達が死んだら骨くらいは拾って帰ってよ。」
 
ゼロ/ze11 「カノンくん、見た目に反して漢(おとこ)らしいですね…」  
アルト/al08 「俺は死にたくないぞ!死にたくないからな!!」  
  (足音複数/3人、旧校舎へ向かう)  

【シーン03:お出かけ前は2フィート棒を忘れずに】

番号 セリフ・効果音など 状況など
アルト/al09 「…で、ここが旧校舎か。なんてゆーか…」  
カノン/ka08 「オバケとか、もののけとか、トイレの花子さんとか、キラートマトとか、バイオがハザードな人々とか
出そうな感じだよね、思いっきり。」
 
ゼロ/ze12 「あー、その手が有りましたね。」 (ちょっと悔しそう)
カノン/ka09 「出して欲しいわけじゃないよ、先生。」 (きっぱり)
アルト/al10 「どんだけ生徒苦しめるつもりなんだよ。ったく…」
(扉を開ける)
 
  (刃が空を斬り、ドスっと床に刺さる音)  
アルト/al11 「…な、なななななんじゃこりゃあああ!!」 (※カスった)
カノン/ka10 「うわ、大丈夫、アルトくん!?」  
ゼロ/ze13 「あぁ、言い忘れていましたが、旧校舎にはあちこちに罠が有りますから。」  
アルト/al12 「先に言えーッ!!」  
ゼロ/ze14 「ていうかダメですよー、アルトくん。ダンジョンに潜る時は必ず罠チェックしないと。
2フィート棒(にふぃーとぼう)も持たずに君たちゃ何を考えてるんですか。」
(下に解説有り。
わかる人だけ
わかってください(笑))
アルト/al13 「うるせー!今日びのダンジョンはオートマッピングで罠がないのが当たり前なんだよォ!!」  
カノン/ka11 「2人とも、なんの話してるの。」 (冷静につっこみ)
アルト/al14 「ていうか罠とかってコレなんの試験だよ!!」  
ゼロ/ze15 「基礎魔法学のレポートです。
君達のクラスはまだ誰も提出してないんですから、頑張らないと。」
(最初に言ったじゃん的)
アルト/al15 「どの実習よりも一番命の危険があるじゃねぇかコレ!!」  
カノン/ka12 「せんせーには何を言っても無駄だよ。さっさと終わらせちゃおう。」
(言って先に進む/足音)
 
アルト/al16 「くっそ…生きて帰ったら教育委員会に訴えちゃる」  
ゼロ/ze16 「あ、それ困ります。」 (軽く)
  (足音複数・先へ進む)  

※豆知識:2フィート棒
RPGの原型となったDungeons&Dragonsというゲームでは、
冒険者は2フィート棒(長い棒)で床をつついて罠がないか調べるらしいです。
アルトは現代っ子なのでCRPG(コンピューターRPG)の話をしていると思われます。


【シーン04:軍隊式トレーニング・1週間でみるみる痩せた!】

番号 セリフ・効果音など 状況など
ゼロ/ze17 「…とかなんとか言ってるうちに資料室についちゃいましたね。
案外楽勝だったじゃないですか。」
 
アルト/al17 「どこがだよッ!!」 (アルトだけぼろぼろ)
カノン/ka13 「アルトくん、トラバサミも、落とし穴も、黒板消しも、ぜーんぶひっかかってたね…」 (同情してる)
アルト/al18 「そーゆーカノンはなんで引っかからないんだよッ!!」  
カノン/ka14 「ほら、あたし、日頃の行いが良いから。」 (明るく言う)
ゼロ/ze18 「カノンくんは妖精族なのにステータスがやたら高いですからねぇ…
レベルの低い罠にはひっかかってくれないんですよ」
 
カノン/ka15 「うん、やってて良かった、勇者キャンプ!!」 (ぐっ、と)
(※勇者キャンプ
=ブー○キャンプ
みたいなもん/多分)
ゼロ/ze19 「今なら全身を締め付けて筋力を増強(ぞうきょう)する『呪いのバンド』がついて、
なんとお値段9800ゴールド。」
(急に深夜の
通販番組風に)
カノン/ka16 「まあ、なんて素敵なの、ジョン!」 (深夜の通販番組の
外国人女性風)
ゼロ/ze20 「はっはっは、ナンシー、それだけじゃないんだ。
今ならNASAでも使われている『呪いの宇宙服』がついてくるんだよー。」
(NASA:「なんとなくさ、
宇宙目指してみない?」
の略)
カノン/ka17 「なんてお得なの!インド人もびっくりね!」  
ゼロ/ze21 「運動不足のお父さんへのプレゼントにも最適です。
お申し込みは今すぐ、ミリオン魔法学園まで。」
 
アルト/al19 「へー…って、ちょっと俺も始めようかな、って思っちゃったじゃねーか!」 (最初感心した風、
後半ツッコミ)
カノン/ka18 「思っちゃダメだよ。」 (冷静)
  (間)  
ゼロ/ze22 「ま、話を元に戻しましょう。」  
アルト/al20 「脱線させたのは先生だろ。」  
ゼロ/ze23 「せっかくの罠もことごとく突破されるし、先生はちょっと意外でしたよ。
せっかく召喚しといたのに悪魔も出ないし…」
(少し不満げ)
カノン/ka19 「悪魔が出ないはあたし達のせいじゃないもん。
それよりせんせー、「せっかく」ってやっぱり罠って先生が仕掛けたの?」
 
アルト/al21 「なんだと!じゃあトラバサミも落とし穴も黒板消しも先生の仕業かよ!!」  
ゼロ/ze24 「…あ。…いえ、違いますよ。…えーと………備え付けの設備ですよ。」 (言い訳チックに)
アルト/al22 「どんな校舎だよ!!」  
ゼロ/ze25 「それより早く資料を手に入れないと、レポートを書く時間がどんどんなくなりますよ。
ちなみに、提出は今日の夕方までですからね」
 
アルト/al23 「うげ。そういや、レポートの資料取りに来たんだ!すっかり忘れてた!」  
カノン/ka20 「アルトくん、急ごう!」  
  (扉をガラガラと開ける音)  
ゼロ/ze26 「ふっふっふ…2人とも、引っかかりましたね。
ダンジョンで罠チェックを忘れるとは!無用心に開けると、待ち構えてる悪魔がぐわーっと…」
 
  (猫の鳴き声)  
ゼロ/ze27 「そうそう、ニャーンと…って、あれ?」  
  (部屋の中に蝙蝠の羽のある小さい猫がいる)  
カノン/ka21 「わぁー!!かわいい!この子猫かな?蝙蝠かな??」  
アルト/al24 「あぁ、なんだ。まさかコレが悪魔か?ほれ、どいたどいた。」
(猫悪魔?をひょいと避ける)
 
  (猫鳴き声)  
アルト/al25 「あ、有ったぞ資料。よし、さっさと帰ろうぜ!」 (あっさりゲット)
ゼロ/ze28 「うーん、もっと強そうなのを呼ぶ召喚式(しょうかんしき)を書いたつもりだったんですけど…
生贄が足りなかったんですかね」
(猫を持ち上げつつ、
さらりと怖いことを言う)
  (猫鳴き声)  
アルト/al26 「…俺は何も聞いてない。い、生贄とか聞いてないからな!!」  
カノン/ka22 「…うん、あたしも何も見てない。聞いてない。」  
  (言いつつ2名退場、シーン転換)  

【シーン05:新・旧校舎の怪】

番号 セリフ・効果音など 状況など
  (後日/鳥の声とチャイム)  
  (アルトとカノンが歩いている)  
アルト/al27 「やれやれ、やーっとテストが終わったぜ。もうあんなレポートはごめんだぞ。」  
カノン/ka23 「どうにか単位ももらえたし、一安心だよね〜」  
  (急にゼロが現れる)  
ゼロ/ze29 「でも良かったじゃないですか、君達2名しか提出してないんで、アルトくんも自動的に学年2位ですよ。」  
アルト/al28 「うげ、先生!急に現れるのやめてくれよッ!」  
ゼロ/ze30 「なんですか、人をエンカウントモンスターか何かみたいに。シツレーな。」  
カノン/ka24 「あ、そうだそうだ。そういえばさー、アルトくんと先生、知ってる?
学園の七不思議が最近ひとつ増えたんだってー。」
 
ゼロ/ze31 「へぇ、それは初めて聞きましたね」  
アルト/al29 「ふーん、どんな?」  
カノン/ka25 「旧校舎に最近悪魔が住みついて、満月の夜には近くを通りかかった生徒を捕まえて、
頭からばりばり食べちゃうんだって!!実際に何人か行方不明になってるらしいよ!」
 
アルト/al30 「…ちょーっと待て。旧校舎の悪魔?」  
ゼロ/ze32 「…おや?」  
アルト/al31 「先生、まさかとは思うけど、呼び出したあの猫悪魔、そのまま放置してないだろうな!?」  
ゼロ/ze33 「あぁー、そういえば。すっかり忘れてましたけど。」  
カノン/ka26 「ええーと…もしかしてそれはちょっと…ヤバいんじゃない?」  
ゼロ/ze34 「やろうやろうとは思ってたんですが、レポートの採点とかで、ほら、忙しくて。
それにアレ、無害そうでしたから。…主食は人間だったんですねぇ。」

(しみじみと)
アルト/al32 「忙しくて、じゃねえぇ!!今すぐ悪魔戻してこーいッ!!!」  
ゼロ/ze35 「あ、じゃあ、それを次の課題にしましょうか。我ながらナイスアイディアです。」  
カノン/ka27 「せんせー…懲りないね。」 (呆れてる)
アルト/al33 「どこがナイスアイディアだーッ!!!」  
ゼロ/ze36 こうして、無事追試は終わったものの、別事件が起きることになるのでした。
ま、がんばってください、2人とも。

(軽く)

【シーン06:キャストコール】

番号 セリフ・効果音など 状況など
  (BGM)  
アルト/al34 アルトゥーラ・ハイランド・(キャスト名)  
カノン/ka28 カノン・シュトローム・(キャスト名)  
ゼロ/ze37 ゼロ・カンパネルラ・(キャスト名)  
ゼロ/ze38 「ボイスドラマ「ゼロ先生の追試大作戦」

編集・脚本 さのや
製作・提供は「ドリームジャック」でお送りしました。それでは、これにて。」
 

→戻る