ボイスドラマ「北神剣演戯」(ほくしんけんえんぎ)
脚本/さのや
10/1 アトリの台詞31、ヒスイ台詞34を少し修正。
10/2 ジンライの年齢説明修正。(変更したので)
10/3 幕と各幕タイトル修正、ふりがな一部追加
【あらすじ概要】
大海に浮かんだ大きな蓮の上にある中ツ国(なかつくに)という所でのお話。
遥か東方より伝わりし北神剣(ほくしんけん)を持つ少女・アトリは、
北神剣に宿る呪いを解く為に西方へと旅を続けていた。
アトリを喰おうとする人食い妖怪ジンライと、謎の仙人見習いヒスイを加え、
賑やかになった一行が立ち寄った村では、村人が全て鳥に変えられてしまうという、
奇妙な事件が起きていた。
唯一無事だった村娘・トウカの頼みで山へと妖怪退治に赴く3人。
だが、実はトウカが村人を鳥に変えてしまった妖怪・シユロだった。
シユロを退け、村に平和を取り戻した3人は、北神剣の呪いを解く為、
更に旅を続けるのだった。
【脚本中記号について】
「」…キャラのセリフ(括弧なしはモノローグだと思っていただければ!)
()…状況説明・セリフの演技指定
※ …前後の状況説明など
【他】
・セリフの方は言い辛ければ言いやすいように語尾・言い回しを変えていただいて構いません。
・セリフが二行に渡っている部分なども一部ありますので、見落としにご注意いただければ
幸いです。(こちらでもよく見落としたりするので…;)
【キャラクター】
アトリ 剣士/少女/15〜16歳
東方より流れてきた呪われた妖剣「北神剣」を持った少女剣士。
お人好しでぼーっとしていて頼りなげだが、めっぽう強い。
剣の師匠の言いつけで、呪いを解く為に西方へと向かっている。
声質:中〜高の少女声、元気系
「あたしはお師匠さんに言われて、この剣の呪いを解く為に旅をしてるんだよ」
(CV:若林綾乃 様)
(台詞数:50)
ジンライ 妖怪/少年/外見10代前半
山に住んでいた雷鳥の妖怪。アトリに退治され、旅に同行することに。
一度負けたものの、懲りずにアトリを喰おうと狙っている。
いつもはらぺこ。
声質:高〜低の少年・子ども声、ツッコミ、叫び多し
「やいやい!そこのお前!!この山が大妖怪・ジンライ様のものだと知ってんだろうな!?」
(CV:−)
(台詞数:47)
ヒスイ 仙人/男/外見20前後
仙境から修行の為に里へと下りてきた仙人見習い。女性に見えるが男性。
いつもにこにこと笑顔を絶やさないが、顔に似合わず自分以外には厳しい。
着物の袖の中にいくつもの仙宝(=秘密兵器)を持っている。
実は翡翠の宝玉の精霊。
声質:中〜低、中性的な女性声or男性声、おっとりのんびり
「北神剣の呪いを解いて来いと言われたんですよ。…あー、めんどくさ。」
(CV:柴村あゆり 様)
(台詞数:37)
トウカ 村人/少女/外見10代前半
事件の起きた村で唯一無事だった少女。
アトリ達に助けを求めてくる。
声質:高〜中、大人しそうな少女声
「あ、はい。この道をまっすぐ行けばすぐに…じゃなくて!旅のお方!
どうぞ私の村を助けていただけませんかっ!」
(CV:時雨 様)
(台詞数:22)
(↓以下シナリオ本文)
【幕01:オープニング】
ヒスイ/hi01:「天上天下(てんじょうてんげ)を見渡せば、大海(たいかい)に一輪の蓮(いちりんのはす)がございます。
蓮の華(はな)の上の中ツ国(なかつくに)、その険しい山岳を、1人の少女が歩いております。
身軽そうな旅装束(たびしょうぞく)と肩から提げた(さげた)一振りの剣。
それが物語の始まりとなりまする。」
(足音)
ヒスイ/hi02:「さて、この少女が持っておりますは、遥か東方(とうほう)より流れし、滅びの剣。
王家によって滅ぼされたと言われる北方(ほっぽう)の民の無念が宿ると言われている剣にございます。
代々の持ち主は非業(ひごう)の最期を遂げ、そして今この持ち主の少女も呪いに翻弄(ほんろう)され辛い思いを…」
(ヒスイの語りを中断する形でアトリのセリフ入る)
(足音)
アトリ/at01:「ふわぁ…眠くなっちゃった〜」
ヒスイ/hi03:「…ま、持ち主によってはあまり堪(こた)えていないのかもしれませぬが。
さぁ、これより、少女と妖怪と仙人の物語の一端(いったん)をお聞かせいたしましょう。」
アトリ/at02:「北神剣演戯(ほくしんけんえんぎ)」。はじまるよ!
(タイトルコール)
【幕02:アトリ、ジンライに会うの巻】
(人気のない険しい山道をアトリが歩いている)
(鳥の声/足音)
アトリ/at03:「…ふぅ。だいぶ歩いたけど…次の街はまだかなぁ?」
(鳥の羽音がしてジンライ、急に現れる)
ジンライ/ji01:「やいやい!そこのお前!!この山が大妖怪・ジンライ様のものだと知ってんだろうな!?」
アトリ/at04:「あ、大きな鳥さんだ。こんにちはー。」(のん気に挨拶/足音)
ジンライ/ji02:「おう、こんにちはー。…あ、そこ、足元崩れやすいから気をつけてな。
………って、のん気に挨拶して行こうとするなー!!」
アトリ/at05:「えー、おなか空いちゃったから、お弁当食べる場所探してるのにー」
ジンライ/ji03:「俺だって腹が減ってんだよ!てことでそこのちびすけ!お前を食わせてもらうぞッ!」
(びしっ!とアトリに。ちなみにジンライのが背が低い)
アトリ/at06:「いただきまーす。」(のん気にお弁当を広げている)
ジンライ/ji04:「俺を無視して弁当広げるなー!!!…くっ、バカにしやがって!泣いて謝っても許してやらねぇ!」
(ジンライの手の爪がじゃきん!と伸びて、それをアトリに向けて振るう)
(アトリ、あっさり避ける)
アトリ/at07:「ありゃ、危ないよー。当たったら怪我するよ?」
ジンライ/ji05:「…む、むむ。こ、このジンライ様の一撃を避けるとは…偶然でもなかなかやるな!
だが、次はそうはいかないぞ!」
(爪を振るう音、数回/避ける音数回)
アトリ/at08:「もう終わり??」(不思議そう)
ジンライ/ji06:「(息切れ)…きょ、今日の所は勘弁してやるッ!いいもん、麓(ふもと)の村から鶏盗んでくるからっ」
(後半はすねたちびっこ風に)
(しゃん!と刀の音)
アトリ/at09:「ダメだよ、そんなことしちゃ。おなか空いてるならお弁当分けてあげるから、一緒に食べようよ」
ジンライ/ji07:「わわわわ、お前、刃物出すなんて卑怯だぞ…ッ!」(※自分のことは棚に上げてる)
アトリ/at10:「ね?」
ジンライ/ji08:「いやその僕は結構大喰らいでしてその程度じゃ全く足りないというかむしろ解放してくださいというか」
アトリ/at11:「ね?」
(ちゃきん!と刀の音)
ジンライ/ji09:「はいわかりました!わー、嬉しいなー!!!」(句読点ない感じ/ヤケな感じで)
アトリ/at12:「良かった!じゃ、仲良くはんぶんこね!」(にこにこと)
【幕03:謎の仙人・ヒスイの巻】
(どこからか声が聞こえてくる)
ヒスイ/hi04:「いやぁ、お見事お見事。小物とはいえ雷鳥の精(らいちょうのせい)を人の身で退治するとは。」
ジンライ/ji10:「誰が小物だ、誰がっ!!」
アトリ/at13:「あれれ、誰??」
ヒスイ/hi05:「僕はしがない見習い仙人・ヒスイと申します。
師匠の言いつけで非常〜に面倒くさいんですが呪いの妖刀(ようとう)、北神剣(ほくしんけん)を探しているのです。
どっかに落ちてませんかね?」
ジンライ/ji11:「そう簡単に落ちてるわけねぇだろ。大体この国で刀一本探すなんて無理!無茶!無駄!な話だと思うぞ」
アトリ/at14:「もしかして北神剣…って、これかなぁ?」(ちゃき、と自分の刀を)
ヒスイ/hi06:「あ、あった。」
ジンライ/ji12:「見つかるの早ッ!!」
ヒスイ/hi07:「その刀身、持ち主に現れる血のような痣(あざ)…間違いない。
てっきり東の剣聖太子(けんせいたいし)殿(どの)が持っていると思ってましたけどねぇ」
アトリ/at15:「お師匠さんのこと?あたしはお師匠さんに言われて、この剣の呪いを解く為に旅をしてるんだよ」
ジンライ/ji13:「へ〜…って、その呪いの刀とやらを俺様につきつけたのかっ!呪いがうつったらどうすんだよッ」
ヒスイ/hi08:「うつるわけないでしょう。…呪いを解く旅でしたらちょうどいい、僕も一緒に行かせてもらいますよ。
こちらも師匠の言いつけでしてね、北神剣の呪いを解いて来いと言われたんですよ。…あー、めんどくさ。」
(前半きっぱり)
ジンライ/ji14:「ちょっと待て!俺様の方が先にこいつについてくって決めたんだ!遠慮しろ女男!」
ヒスイ/hi09:「何でですか小物妖怪。あなたこの子に用事ないでしょーに」(女男、と言われて不機嫌そうにいらいらと)
ジンライ/ji15:「大有りだ!俺様はこいつを食うことに決めた!獲物(えもの)を横取りされるのは不愉快だ!」
ヒスイ/hi10:「ほーぅ。そうですか、もっと不愉快な目に合わせてあげてもいいんですよ?」
ジンライ/ji16:「はっ!やれるもんならやってもらおうじゃねぇか!」
(ばちばちっと火花が散る)
アトリ/at16:「2人とも、ストーップ!!ケンカはダメだよ!それに、「こいつ」とか「この子」じゃなくて、あたしはアトリ!」
ジンライ/ji17:「じゃあ、アトリ!お前が選べ!俺に食われるか、こいつに呪いを解いてもらうか!」
ヒスイ/hi11:「どう見てもジンライが不利ですよ、その条件。」(きっぱり冷静に)
アトリ/at17:「うーん、食べられると旅ができなくなっちゃうし…
呪いも、お師匠さんは自分で解かなきゃダメって言ってた。
そうだ、こういうのはどう?3人で一緒に旅するの!きっと楽しいよ!」
ジンライ/ji18:「3人でぇ!?」(驚いた声で)
ヒスイ/hi12:「3人で?」(呆れた声で)
(※台詞2つ同時)
ジンライ/ji19:「馬鹿言うなよ、妖怪と仙人が一緒に旅できるわけないだろーが!」
ヒスイ/hi13:「ふむ…僕は構いませんよ。アトリが自力で呪いを解いてくれるなら楽ですし。
こんな小物妖怪どーってことありませんし」
ジンライ/ji20:「あー!言ったなお前!!お、俺だって俺だって、どうってことないからな!
お前なんて眼中(がんちゅう)にないし!!」
アトリ/at18:「じゃ、決まり!これからよろしくね、ジンライ、ヒスイ!」
ジンライ/ji21:「お、おう。」(あれ、なんか言いくるめられたな的に)
ヒスイ/hi14:「なんか変な成り行きになっちゃいましたねぇ…」
【幕04:トウカと妖怪シユロの巻】
(3人、山道を歩いている)
ジンライ/ji22:「う〜……やいやい!腹が減ったぞ!!」(だだこねる感じで)
ヒスイ/hi15:「ジンライ、さっきお弁当食べたばかりでしょーに」
ジンライ/ji23:「うるさいなっ!俺はてめーら仙人や人間と違って、あんなちょっとじゃ足りないの!
村とか町とか食べ物屋とかないのかよ!」
アトリ/at19:「ええとね、地図によるとこの辺に村があるらしいんだけど…」
(走る足音)
トウカ/to01:「あ、あのっ!そこの妖怪と仙人と人間の奇妙な3人連れのかたっ!!」
ヒスイ/hi16:「おや、こんな山道にどこぞの娘さんが」
アトリ/at20:「あ、ちょうど良かった。村ってこっちの道でいいんだよね?」(のん気に道を聞く)
トウカ/to02:「あ、はい。この道をまっすぐ行けばすぐに…じゃなくて!旅のお方!
どうぞ私の村を助けていただけませんかっ!」
アトリ/at21:「村?村がどうかしたの??」
トウカ/to03:「実は、『シユロ』という鳥の妖怪がやってきて、村の皆を鳥に変えてしまったんです。
私1人だけは助かったのですが、どうしていいか困り果てていた所で…ううっ!!」(最後、わざとらしく泣く)
アトリ/at22:「大変だ…!ねぇ、ジンライ、ヒスイ、この子助けてあげようよ!」
ジンライ/ji24:「え〜!!俺様は腹が減ってんだ!もうここから一歩も歩けないぞ!」(駄々こね)
トウカ/to04:「助けて下さるのでしたら、まずは私の家でお食事でもしながら詳しい話を…」
ジンライ/ji25:「世の中助け合いだしな!すぐ行こう!今すぐ行こう!!」(豹変した/2人に)
ヒスイ/hi17:「わかりやすい釣られっぷりですねぇ」(呆れがちに冷たく)
アトリ/at23:「よし、じゃあ行こう!…えーっと」(トウカを呼ぼうとして名前を聞いてないことに気付く)
トウカ/to05:「申し遅れました、私はトウカ。この先の村の、かわいいと評判の村娘です」(にっこり言う感じで)
ジンライ/ji26:「…聞いてないぞ、評判とか。」(つっこみ)
アトリ/at24:「トウカちゃん、か。よろしくね!」
トウカ/to06:「えぇ、よろしくお願いしますね。それでは、村にご案内いたします。こちらです!」
(足音)
(間)
(ちゅんちゅんじゅんじゅんとうるさいくらいの鳥の声)
アトリ/at25:「わ〜、鳥が沢山だ。」
ジンライ/ji27:「なんだこりゃぁ…これ全部村人かぁ!?」
ヒスイ/hi18:「ふむ…この鳥達の仕業か、畑が全部荒らされちゃってますね」(冷静に観察)
トウカ/to07:「えぇ、この鳥達は全て、村の人達なんです。
山に住む鳥の妖怪・シユロを怒らせて、このように姿を変えられてしまったのです」
アトリ/at26:「そうなんだ。ジンライも鳥の妖怪だよね。そういうのできるの?」
ジンライ/ji28:「ふっ、俺はできないぞ!」
ヒスイ/hi19:「…いばることじゃないでしょーに。しかし、これだけの村人を全て鳥に変えてしまうとは…
かなりの力を持った妖怪ですよ。」
トウカ/to08:「とりあえずは私の家にお越し下さい。詳しい話はそちらでお話しいたします」
(足音)
(間)
(トウカの家/3人、お邪魔してテーブルについている)
(かちゃかちゃと茶器の音)
トウカ/to09:「さ、お茶をどうぞ。すぐにお料理も用意しますから」(足音/トウカ奥にひっこむ)
ジンライ/ji29:「おおっ!楽しみだな!…ぷはー!うめー!!このために生きてるなー!」
(お茶を一息で飲み干す/最後親父風に)
ヒスイ/hi20:(ジンライが飲み終わるの待ってから)「このお茶は飲まない方がいいと思いますよ。
毒が入ってるようですし」(きっぱり)
アトリ/at27:「えっ!ほんと!?」
ジンライ/ji30:「ぶっ!人が飲むの待ってから言うんじゃねえぇ!!!」
ヒスイ/hi21:「それは僕がキミを嫌いだからです。」(きっぱりこ)
ジンライ/ji31:「ストレートだなおい!…て、いうか…なんだこれ…体がしびれ…」(どたっ!と倒れる音)
ヒスイ/hi22:「うん、やっぱり毒でした。僕の目に狂いはないですね。
僕ってば容姿端麗(ようしたんれい)だし才色兼備(さいしょくけんび)だしどうしましょう。」(淡々とクールに)
ジンライ/ji32:「どう…も…しねぇ…!!」(ツッコミ/息も絶え絶えでしたら区切りは自由です)
アトリ/at28:「ヒスイ、そんなこと言ってる場合じゃないよ!!ジンライ!ジンライ!!大丈夫!?」
(がちゃん!と食器の音)
トウカ/to10:「あらまあ、お二人はお茶、飲んでくれなかったんですか?せっかく用意したのに。」
アトリ/at29:「あなた…何者?なんでこんなことするの!?」(緊張感のある声で)
トウカ/to11:「ふふっ、知りたい?」(口調が変わる/楽しそうに)
ヒスイ/hi23:「簡単ですよ、キミが妖怪・シユロなんでしょう?」(トウカに)
ヒスイ/hi24:「あなた、最初に会った時、「妖怪と仙人と人間の」…と言ったでしょう。
目立つ格好のジンライならともかく、僕を一目見ただけで仙人とわかるとは、明らかに怪しいですからね。」
アトリ/at30:「そ、そっか。ヒスイ、すごい!」(感心)
シユロ/to12:「なーんだ。そっちの仙人はあんまり馬鹿じゃないのね。そう、あたしがシユロ。
この山に住む大妖怪・シユロ様よ!」(えっへんと)
アトリ/at31:「なんで村の人達を鳥なんかに変えちゃったの!?
それに、あの畑…穀物がなくなったら村の人達が飢え死にしちゃう!」
シユロ/to13:「そーよ。あんな人間達、飢えて死ねばいいんだわ。
害虫を退治してあげてたあたしの一族をありがたがってた癖に、数が増えたら森ごと焼き払うなんて!」
ヒスイ/hi25:「ふむ、どうやら、鳥の怨念が生み出した妖怪のようですね…」
アトリ/at32:「酷い………でも、だからってこんなことしちゃダメだよ!間違ってる!」
シユロ/to14:「間違ってるからなんだっていうのよ。ふふっ、でも今日は運がいいわ。仙人が通りかかるなんて!
仙人の肉を食べれば寿命が100年は延びるのよね〜」(うきうきと)
シユロ/to15:「そっちのお嬢ちゃんと、転がってる小物妖怪には用はないわ。
…そうねぇ、村人が飢えるのがかわいそうだっていうのなら、あなた達がご飯になってあげればいいんじゃない?」
(楽しそうに)
(ばん!と扉が開く音/鳥が大量に家に入ってくる)
アトリ/at33:「わっ…!」
ジンライ/ji33:「く、くっそー…動ければこんな鳥どもくらい…!!」
ヒスイ/hi26:「何気にピンチなんですかね、僕達」(1人冷静)
アトリ/at34:「仕方ないな…村の人達、ごめんね…!」
(ひゅん!と剣を抜き、振るう/鳥の声、何匹か落ちる)
(上記効果数回)
シユロ/to16:「な、なかなかやるじゃない。でも、そんな刀一本でいつまで持つかしら!?」
ヒスイ/hi27:「やれやれ…面倒ですが、僕も少しは手伝いましょうかね。来々(らいらい)、無限鞭(むげんべん)!」
(衣擦れの音/袖から仙宝を取り出す)
(ひゅん!と音/鳥の声と落ちる音)
(上記効果/シユロ、伸びた鞭に捕まる)
シユロ/to17:「きゃっ!!?な、何よコレ!離しなさいよー!!!」
アトリ/at35:「やった!シユロちゃんを捕まえたら鳥たちも大人しくなったよ!」
ジンライ/ji34:「おおお、すごいぞ、二人とも!」
ヒスイ/hi28:「はー、仙宝(せんぽう)は便利なんですけどあんまり使いたくなかったんですよねぇ…」
ジンライ/ji35:「ん?なんでだ?」
ヒスイ/hi29:「や、僕が疲れるんで。」(きっぱり)
ジンライ/ji36:「それだけかよ!」(ツッコミ)
ジンライ/ji37:「…って、いつの間にか痺れが取れてる?そっか、妖怪にはあんまり効かなかったみたいだな!
はーっはっはっは!!大妖怪ジンライ様の力を思い知ったか!」
アトリ/at36:「ジンライ、何もしてないよね。」
ヒスイ/hi30:「全くもって役立たずでしたよね。」
ジンライ/ji38:「う、うるさいなっ!!」
シユロ/to18:「ううぅ…あたしの、あたしの復讐(ふくしゅう)が…」(さめざめ泣いてる)
(アトリ、シユロに目線を合わせる)
アトリ/at37:「トウカちゃん。…じゃなかった、シユロちゃん、
確かに村の人達があなた達にした事は酷かったかもしれないよ。
でも、だからって酷い目に合わせていい理由にはならないと思うんだ。」
アトリ/at38:「約束して。これからは人間にも、仙人にも、妖怪にも、酷いことはしないって。
そしたら自由にしてあげる。」
ジンライ/ji39:「おい!いーのかよ!俺達を鳥のエサにしようとしたやつなんだぞッ!!」
アトリ/at39:「だって、お師匠さんも言ってたもん。罪を憎んで人を憎まず!憎さ余ってかわいさ100倍!…あれ?」
(なんか違うことに気付く)
ジンライ/ji40:「なんか違う、なんか。」
ヒスイ/hi31:「僕はどっちでもいいですよ。アトリの判断に任せます。」(面倒そうに)
ジンライ/ji41:「…ふん。それなら俺だってアトリの判断に任せてやってもいいぜ」
(不機嫌と見せかけてやや照れ隠しっぽく)
アトリ/at40:「じゃ、決まり!シユロちゃん、約束してくれるよね?」
シユロ/to19:「ふん!ばっかじゃないの!この大妖怪・シユロ様がそんな約束するわけないじゃないの!」
(しゃん!と刀の音)
アトリ/at41:「ね?」
シユロ/to20:「わわわわ、ちょっと、刃物で脅すなんて反則…!!」
アトリ/at42:「ね?」(明るく念を押すような感じ)
シユロ/to21:「わかりました!わかったってば!もう誰にも悪いことはしないからーっ!!!」
アトリ/at43:「良かった!これで一件落着だね!」
ジンライ/ji42:「…アトリって時々タチ悪いよな。」
ヒスイ/hi32:「…ですよねぇ」
【幕05:エンディング】
(足音)
アトリ/at44:「村の人達も元の姿に戻れたし、良かったね!」
ヒスイ/hi33:「畑も、シユロが元通りにすると約束してくれましたしね。
あれだけ脅(おど)せば…こほん、説得しておけば、大丈夫でしょう。良かった良かった。」
ジンライ/ji43:「ちっとも良くなーいッ!!!結局メシ食えなかったじゃねぇかよ!!」
アトリ/at45:「しょうがないじゃない、あんな状況の村からご飯分けてもらうわけにいかないよ。」
ジンライ/ji44:「俺様は腹が減って死にそうなんだッ!メシをよこせ!
もしくはどっか街とか村とか食べ物屋とか連れてけー!!」(だだこね)
ヒスイhi34:「やれやれ、うるさいですねぇ。
…あ、そうだ。アトリ、村人が山を越えた国に有名な易者(えきしゃ)が住んでいると言ってましたよ。
もしかしたら呪いの解き方について、何か手がかりが手に入るかもしれませんね」
アトリ/at46:「へぇー、じゃあそこに行ってみよっか。」
ジンライ/ji45:「国!じゃあ、じゃあ、食べ物屋もあるよな!行こう!今すぐ行こう!!」
アトリ/at47:「うん、行こう行こう!」
ヒスイ/hi35:「ま、行くまでの道にどうやら妖怪が住み着いてるらしいんですけどね。なんとかなるでしょう。」
アトリ/at48:「うん、なんとかなるなる!」
ジンライ/ji46:「…アバウトだな、おい。」
(足音)
ヒスイ/hi36:「これにて、少女と妖怪と仙人の物語は一旦幕を閉じまする。
彼らがその後どうなったのか、それはまたいつか、別の物語で。」
【幕06:キャストコール】
番号 | セリフ・効果音など | 状況など |
(BGM) | ||
アトリ/at49 | アトリ・(キャスト名) | |
ジンライ/ji47 | ジンライ・(キャスト名) | |
ヒスイ/hi37 | ヒスイ・(キャスト名) | |
トウカ/to22 | トウカ、シユロ・(キャスト名) | |
アトリ/at50 | 「ボイスドラマ「北神剣演戯」。 編集・脚本 さのや 製作・提供は「ドリームジャック」でお送りしました!じゃ、またどこかでね!」 |