◆Sky of Dragon Etude5:恐怖の帝国図書館

【登場人物】
カイザ(15)、エリナ(12)、アーリィ(17)、ミルフィーン(8) 計52

「」…キャラの台詞
『』…モノローグ
()補足
【】効果音・BGMやシーン説明

台詞番号…最初の番号が話数、残りの2桁が台詞番号です。

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(以下シナリオ本文)

アーリィ/501:「Sky of Dragon(スカイ・オブ・ドラゴン)・エチュード 第5話『恐怖の帝国図書館』」

アーリィ/502:『森で奇妙な2人組と別れたわたしたちは、森の南にある帝国図書館へとやってきた。
 今度こそ、竜の手がかりがあるといいんだけれど。……はぁ』(ため息)

【図書館の入り口/無人のカウンター/エリナが奥に呼びかける】

エリナ/503:「こんにちはー!おじゃましまーす!誰かいますかー?……返事がないよ、誰もいないみたいー?」

アーリィ/504:「帝国図書館には常駐(じょうちゅう)の司書(ししょ)がいるはずなんだけどねぇ。
 仕方ない、勝手に入らせてもらうか。……どうした、カイザ?」

【SE:足音/3人、進み始める/カイザ、進み始めると立ち止まる】

カイザ/505:「本、本、本……周りを見ても本ばっかり……あー、もう!ダメだ!オレはこういうとこ苦手なんだよ!」

エリナ/506:「しー。図書館では静かにしないといけないんだよー?」

【アーリィ、近くの一冊の本を手に取る】

アーリィ/507:「お、ここにこんな本がある。"帝国の宮廷料理100選(せん)"、これでも読んで気を紛らわしとけ」

カイザ/508:「おお、美味(うま)そうな絵の本!って、これも中身、字ばっかりじゃねーかよ〜」
(情けなくしょんぼりして)

アーリィ/509:「ちょっとは字も読め。バカになるぞ……あぁ、もうバカか」(やれやれ、といった感じで)

カイザ/510:「うるせー!バカバカ言うな!!」

【SE:足音/エリナ、途中で立ち止まる】

エリナ/511:「ねーねー、2人とも!見てアレ!」

アーリィ/512:「なんだ?」

カイザ/513:「なんだよ、また変なもの見つけたんじゃ……って、人の足ッ!?」

【SE:にょき。/崩れた本の隙間から足がのぞいている】

アーリィ/514:「聞いたことがある……あまりに広大な帝国図書館では毎年何人かの行方不明者(ゆくえふめいしゃ)が
 出るという。なんでも、それは本に封じられた魔物が図書館内をうろついているからだとか、こき使われて過労死
 (かろうし)した司書(ししょ)の霊が仲間を求めているからだとも言われていて……
 もしやあれは、その犠牲者(ぎせいしゃ)なんじゃ」
(怪談話のような口調で真面目に)

エリナ/515:「えええ〜!?じゃああの人、魔物かおばけに殺されちゃったのぉ!?」(びっくりして)

カイザ/516:「な、なんだよ、怖い話するなよ!」(怯えつつ)

ミルフィーン/517:「あらまあ、そんな噂が流れているのねぇ」
(本の下敷きになっていた人物、いつの間にか混じっている)

カイザ/518:「うわぁ!?」

アーリィ/519:「わっ!?」
(2人ともほぼ同時)

エリナ/520:「お姉さんだーれ?幽霊?」(動じてない)

ミルフィーン/521:「あらやだ、幽霊じゃないわよー。私はここの司書(ししょ)のミルフィーン。
 本の整理をしてたら、うっかり足を滑らせちゃって。死ぬかと思ったわ」
(そう言いつつもにこにこしつつ/明るく言う)

エリナ/522:「なーんだ、幽霊じゃないのー?」(がっかり)

アーリィ/523:「心臓に悪い司書(ししょ)だな……」(まだドキドキしつつ)

カイザ/524:「司書(ししょ)か……ってことは本にも詳しいよな。
 オレたち、竜についてを調べてるんだ。何か知らないか?」
(幽霊じゃなかったのでほっとしつつ)

ミルフィーン/525:「それならそこからこの部屋の一番奥までが竜についての文献よ。
 ざっと千冊以上はあるかしら」

カイザ/526:「うぇー……本じゃなくてさ、おまえは何か知らないか?竜が今いる場所とかさ」
(前半:すんごく嫌そうに/後半:気を取り直して)

ミルフィーン/527:「では逆に聞くけれど、あなたたちはなぜ、竜を探しているの?
 竜を探している人たちは多いけれど、みんな、お金儲け(もうけ)や、捕まえて見世物(みせもの)に
 しようとする人たちばかり。たとえ知っていても、ちゃんとした理由を聞かなきゃ教えられないわ」
(今までのおっとりとした口調から真面目な口調に変わって)

エリナ/528:「ええーっ!違うよー!エリナたちはそんなことしないもん!
 エリナもね、実は竜なんだけど、仲間を見たことがないの。だから会いたいだけだもん!」(怒って)

カイザ/529:「オレだって、自分の為ではあるけどさ。金(かね)のことばっかり考えてる人間とは違うぜ。
 オレは、オレの主人がかけた呪いを解く為に竜を探してるんだ」

アーリィ/530:「わたしはこの2人の保護者みたいなもんだけどね、紅蓮(ぐれん)の魔女の名にかけて
 竜には危害を加えないと誓うよ」(真面目に)

【間/ミルフィーン、見定めるように3人を見る/にっこりと笑う】

ミルフィーン/531:「……ふふっ、脅して(おどして)しまってごめんなさいね。
 最近は、竜についてを聞きたがる困った人たちが多いものだから。
 あなたたちはどうやらそういう人たちではないようね」

カイザ/532:「あったりまえだろ!」

ミルフィーン/533:「竜に会いたいなら、もしかしたら、西の"ドラゴン・コロシアム"に行けば会えるかもしれないわ」

エリナ/534:「どらごんころしあむ?なーに、それ?」(よくわかってない)

アーリィ/535:「昔、闘竜(とうりゅう)とやらをやってた場所だね。今でも竜がいるってのかい?」
 (後半はミルフィーンに聞く)

ミルフィーン/536:「いいえ。でも、この間、本物の竜が現れたらしいわ。もしかしたらまだコロシアムにいるかも」

カイザ/537:「コロシアムか……行ってみるか!図書館と違って、そっちのがわかりやすそうだしな!」

アーリィ/538:「そうだな。教えてくれてありがとう、助かったよ」(前半:カイザに同意/後半:ミルフィーンに)

ミルフィーン/539:「お役に立てて何よりだわ。そういえばそろそろ閉館(へいかん)時間なのだけど、
 閉めてしまって大丈夫かしら?」

エリナ/540:「うーんと……他に用事はないしー、大丈夫なはず?ありがとう、おねーさん!」(にっこりお礼を言う)

【SE:足音/ばたん、と扉の音/3人、図書館を後にして歩き出す】

 

【SE:足音/3人、街道を歩いている】

カイザ/541:「手がかりが手に入って良かったな。……ん、どうした、アーリィ?」

アーリィ/542:「さっきの司書、なーんかどっかで見たことがあるんだよねぇ……
 どこだったか……魔女戦争の時だったかなぁ……」(悩んでいる)

アーリィ/543:「思い出した!あのミルフィーンとかいう奴、昔、帝国の皇帝と一緒にいた竜だよ!!
 ……ったく、姿があまりに違うんで思い出すのに時間がかかっちまった」(悔しそうに)

エリナ/544:「ええーっ!?」

カイザ/545:「竜!?じゃ、じゃあ、急いで戻って話を……」

アーリィ/546:「……ダメだな、もう帝国図書館は閉まってるはずだ。
 "ドラゴン・コロシアム"に竜がいるとすれば、一刻も早くそっちに向かった方がいいだろうし」

エリナ/547:「いいこと思いついた!ころしあむに行ってから、もう一回来ようよ!
 司書(ししょ)なら図書館にずっといるよね?」

アーリィ/548:「そうだな。急がなくても、次にまた来て話をしてみればいいか」

カイザ/549:「2人とものん気だな……次に来ていなかったらどうすんだよ。
 ま、コロシアムとやらに竜がいるみたいだし、いいか。オレ、本とか苦手だし」

アーリィ/550:「あんたはもっと本を読みな。バカになるよ。……あぁ、もうバカか」(2回目/からかうように)

エリナ/551:「もうバカかー」(嬉しそうにまねっこする)

カイザ/552:「うるせー!バカじゃねーし!
 あー、もう!さっさと竜を見つけて、おまえらなんかとはおさらばするからな!!」

(フェードアウト)

(つづく)


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