「黄昏賢者」シナリオ

08/03/31 校正部分反映
08/03/10 完成、微修正

◆登場キャラと台詞数
リュッケ(50)、ミリィ(45)、イアリス(27)、ジャン(18) 計140

※遺産=レリックと読んでください。読み仮名忘れている場所もありそうですので;
※台詞はアレンジしていただいて構いません。アドリブできそうな所は増やしてもらっても大丈夫です。
(長すぎる場合は編集の際に切らせていただくこともあるかもですので、ご注意下さい;)



【1】
(BGM〜語りへ)
語り(ジャン)/001:"大災害"によって人類のほとんどが死滅し、文明が失われた時代。
辛く苦しい時代を生き抜いた人々も、遺産(レリック)と呼ばれるロストテクノロジーを独占する"天帝"と
僅かな数の"貴族"に支配され、苦しめられていた。

語り(ジャン)/002:…というシリアスな話はまあ、置いといて。
帝国領の外れ、旧時代の"黄昏の塔"に2人のトレジャーハンターが
たどり着いた所から、物語は始まる。


【2】
(風の吹き抜ける音/荒野のど真ん中、どどーん!と建った塔をリュッケが見上げている)

リュッケ/003:「おおおー、これがウワサの黄昏(たそがれ)の塔!この塔の遺産(レリック)を手に入れて、
今日から俺のBIGな伝説が始まるッス!」
(言っているリュッケの横をミリィがすたすた通り抜ける)

ミリィ/004:「ちょっと、そこ、邪魔。」
(すたすた歩いて扉を開けて中に)

リュッケ/005:「あ、すいません…って!先を越されたッス!ちょっと待つッス!」
(ばたばた追いかける)

(遺跡内部。階段が広い部屋の右と左に二つある)

ミリィ/006:「何よ、邪魔しないでよ」

リュッケ/007:「この遺跡には俺!が先についたッスよ!割り込むのは良くないッス!」

ミリィ/008:「はぁ?ついた順番なんて関係ないでしょ」
(何言ってるの、的に言ってすたすた歩き始める/リュッケ、慌てた感じで喋りつつ追う)

(以下歩きつつ)
リュッケ/009:「ていうかあんた誰ッスか!名を名乗れー!ッス!!」

ミリィ/010:「あたしはミリア。ミリィでもリアでも好きに呼んでちょうだい。あんたこそ、誰よ」

リュッケ/011:「俺!はリュッケッス!一発BIGになる為に一念発起してトレジャーハンターになったッスよ!」

ミリィ/012:「あっそ」(興味なさげに言ってすたすた)

リュッケ/013:「聞いておいて聞く気がないッス!!」(ガーン、と)

(リュッケ、気を取り直して)
リュッケ/014:「そ、それに、ここはまだ調査されてない遺跡ッス。あんたみたいな女の子が来る所じゃ…
…って、天井(から何か)が落ちてきたッスー!!!?」
(がごん!と何かの音/天井から重石が2人目掛けて落ちてくる)

(ケースの開く音、バイオリンの音と共に氷の柱が重石を受け止める)
ミリィ/015:「これくらいで慌てないでよ。うるさいわね」

リュッケ/016:「うわ!氷のおかげで助かったッス…これ、魔法ッスか!?」(驚きつつ感心)

ミリィ/017:「シュネー・シュタイナー。あたしの遺産(レリック)よ。
大気中の水分を元に氷を瞬時に作り出せるバイオリンなの」(やや誇らしげ)
(※シュネー・シュタイナーはドイツ語で「吹雪」の意)

リュッケ/018:「うわー、うわー、すごいッス!!」(大感激中)

ミリィ/019:「あーたねー、これくらいで驚くなんて素人?この塔は一般人の来るような所じゃないの。
家に帰ったほうがいいんじゃない?」
(きっぱり言ってすたすたすた)

リュッケ/020:「ああ!馬鹿にしてるッスね!俺だって遺産(レリック)くらい持ってるッス!」

ミリィ/021:「へぇ、どんなの?」(ちょっと感心/興味を持つ)

リュッケ/022:「じゃ、じゃーん!見て驚くッス!オーラブレイド!!!」
(言って遺産を起動させる/それっぽい機械音)

ミリィ/023:「へぇ、剣が出せるレリックかぁ…」
(機械音、数秒>ぷしゅーんとパワーダウン)

リュッケ/024:「…はぁ、はぁ、つ、使うとすんごく疲れるのが難点ッス…」
(息切れ、息も絶え絶え(できれば))

ミリィ/025:「…はぁ。期待して損したわ」(呆れてため息、すたすた歩き始める)

(歩き始めたミリィの後ろでぎぎぎ、と重石を乗せた氷が軋み、砕ける)
リュッケ/026:「重石(おもし)が…!危ないッス!!!」(だっ!とダッシュでミリィを抱え、助ける)

ミリィ/027:「え…きゃあっ!!?」
(べし!と2人、転ぶ)


リュッケ/028:「ふぅ…潰れないで良かっ…のわっ!!」(良かった、の途中でミリィに突き飛ばされる)

ミリィ/029:「こ、こっち見ないでっ!コンタクト、直してるから…!!」(すごく慌てて)

リュッケ/030:「あ、あれ…あんた、目の色が左右違う…?」

ミリィ/031:「見ないでよ!…見たら、差別するだろうから…」(後半、悲しそうに)

リュッケ/032:「なーんだ。そんなの、どーってことないッス。気にしないッスよ!」(元気よく)

ミリィ/033:「え…?」

リュッケ/034:「俺の孤児院の弟とか妹たちも皆、目も髪の色も違うッス。そーゆーのは個性って言うッス。」
(自分の言葉にうんうん、とうなづく感じで)

ミリィ/035:「…あんた、変わった人ね」(呆れつつも微笑んで言う)

リュッケ/036:「偶に言われるッス!」(えっへん、と)

ミリィ/037:「ま、それはそれとして…ともかく、ついてきてもいいけど、あたしの邪魔はしないでちょうだい。
さっさとここの遺産を手に入れて帰るんだから」(きっぱり言ってすたすた/でも口調は若干柔らかめになっている)

リュッケ/038:「む、むむ…ついてなんて行かないッス!…あ、じゃあ、俺はこっちの道から行くッス!
そっちこそついて来きちゃダメッスよ!!」(びし!と音)

ミリィ/039:「あっそ。じゃあ、私はこっちの道を行くから」(びし!と音/ミリィ、すたすた上がる)


【3】
(足音しばらく/2人、階段を上がりきった所でばったり出会う)


リュッケ/040:「ああー!また出たッス!」

ミリィ/041:「で、出たとは何よ!失礼ね!登ってきたらここに出たのよ!」

リュッケ/042:「むむ…まあいいッス。それより扉ッス!きっとここに俺の遺産(レリック)が待ってるッス!」

ミリィ/043:「なんであんたのレリックなのよ。ここにあたしのレリックが待ってるのね!」
(対抗意識を出して言い直す)

(2人、扉を開ける/ぎぎぎー、と大きな扉が開く音)

イアリス/044:「…誰だ、貴方達は」

リュッケ/045:「俺はリュッケッス!お邪魔しますッス!さーて、遺産(レリック)はどこッスかね?」
(きょろきょろ)

ミリィ/046:「あ、あたしはミリア。ミリィでもリアでも好きなように呼んでちょうだい。
…ていうか、だからあたしのだって言ってるでしょ!」(言ってきょろきょろ)

ミリィ/047:「ん?ていうか、この子、誰?どうしてこんな所に一人でいるの?」
(きょろきょろ途中で気づく)

イアリス/048:「私はイアリス。この"黄昏の塔"(たそがれのとう)のレリックだ。」(きっぱり言う)

リュッケ/049:「おー、レリックッスか。小さいのにすごいッスね!…って、えぇっ!?」

ミリィ/050:「この子が…遺産?」(驚き)

イアリス/051:「100年と5ヶ月、20日と6時間58分前に目覚め、この時代の人間が来るのを待っていた」

リュッケ/052:「れ、遺産(レリック)ってことは俺みたいにオーラブレイド出したりできるッスか!?」

ミリィ/053:「氷を出したりできるの!?」
(上記、2人で同時くらいに聞く)

イアリス/054:「どちらもできない」

ミリィ/055:「なーんだ」
リュッケ/056:「つまらないッス」
(2人、がっかり)

イアリス/057:「こほん。…だが、私は未来を制御することができる。必要とあらば見せてやろう」
(がっかりされたのでちょっとムキに/大きな本のページをめくる)

リュッケ/058:「み、未来ッスか!それはすごいッス!!」

ミリィ/059:「それ、…ホントなの?だったら、この辺の天気を雨にすることとかできる?」

イアリス/060:「可能だ」(さらさらと指でページをなぞる/ざー、と雨が降り始める)

リュッケ/061:「うわぁ、すごいッス!じゃあ、じゃあ、雹を降らせる事もできるッスか!?」

イアリス/062:「それも可能だ」(さらさら/ばらばらばら、と雹の音)

ミリィ/063:「じゃあ槍も?」

イアリス/064:「不可能ではない」(さらさら/がんがらがっしゃーん、と金属音)

リュッケ/065:「わー!すごいッス!すごいッス!!」(大感激)


【4】

イアリス/066:「すごい、か…私はそうは思わない」(ぽそりと言う)

ミリィ/067:「え…?」

リュッケ/068:「どうしてッスか…?」
(言いかけた所でジャン登場)

(刃物で切り裂く音数回/ジャン、壁を抉って現れる)
ジャン/069:「はーっはっはっは!その遺産(レリック)をこっちに渡してもらおうか、そこの少年少女!」

リュッケ/070:「わわ、何ッスか、あんた!…ていうか、すんごいボロボロッス!!」(驚愕)

ジャン/071:「う、うるさい!!急に外で雨と雹と槍が降ってきたんだ!!」

イアリス/072:「まさか外に人がいたとは」

ミリィ/073:「わ…悪いことしちゃったかな」(バツが悪そうに)

(ジャン、気を取り直して咳払いをしてから)
ジャン/074:「…俺様の名前はジャンヴィエ。
その遺産(レリック)を回収する。怪我をしたくなければ大人しく下がるんだな」

イアリス/075:「回収、だと…?」(不思議そうに)

ミリィ/076:「その軍服、もしかして帝国の…!?
おばあちゃんに聞いたことある、レリックを集めて、悪用してるって国よ!」

リュッケ/077:「うわ、悪者ッスか!」

ジャン/078:「ふん、人聞きが悪いな。本来の役割の通り、軍事用として使ってやっているだけだ。
それの何が悪い?」

ミリィ/079:「帝国なんかにイアリスを渡したら、大変なことになるわ!絶対渡しちゃダメ!」
(バイオリンを取り出す)

リュッケ/080:「そうと聞いたら、渡すわけにはいかないッス!」(オーラブレイド起動)

ジャン/081:「はっ、やる気か?面白い!」(じゃきん!と刃物の音/ジャンの腕から無数の刃物が生える)

リュッケ/082:「う、腕から羽が生えたッス!…びっくり鳥人間ッスか?」(前半は驚愕/後半はのん気に聞く)

ジャン/083:「ちがーう!誰がびっくり鳥人間だ!!!」
(ざしゅっ!と刃物音複数/刃物がリュッケに放たれる)

(氷っぽい音/ミリィのバイオリンで氷の壁が作られ、刃物が弾かれる)
ミリィ/084:「馬鹿、ボケっとしてちゃダメじゃない!これ、羽じゃないわよ!刃物よ!」

リュッケ/085:「た、助かったッス…びっくり刃物人間ッスね!」(言い直した)

ジャン/086:「だから違う!誰がびっくり刃物人間だッ!!」(怒る/刃物をリュッケ達に放つ)

(攻撃音/2人、ガードしきれず吹っ飛ぶ)
ミリィ/087:「きゃあっ!!」

リュッケ/088:「うわっ!?」

イアリス/089:「リュッケ、ミリィ!」(叫ぶ)

ジャン/090:「…ふん、俺様のレリック"イカロスの翼"は、お前ら如きのレリックとランクが違う。
さぁ、そこの娘。これ以上、こいつらを傷つけられたくなかったら、その本型のレリックを渡すのだ!
未来を操るそのレリック…我ら帝国が存分に活用してやろう」(勝ち誇りつつ)

イアリス/091:「活用か…。思い通りの未来を創れる能力など…いいものか。
数ある可能性を奪い、無限を有限にしてしまう力など…」
(言って、日記をジャンの方へ放る/本がどさっと落ちる音)

(今までの機械的な口調とは変わって、感情を込めた感じで(できれば)/きっぱりと)
イアリス/092:「日記、使ってみてご覧よ。貴方じゃ使えやしないから。」

リュッケ/093:「わ、渡しちゃダメっす!!」
(ミリィ、リュッケを制する)

ミリィ/094:「待って!イアリスは自分を"遺産"(レリック)って言ってた。もしかしたら…」

ジャン/095:「態度は気に食わんが、素直に渡すとは良い心がけだ。
本物かどうか確かめさせてもらうぞ」
(足音/ジャン、日記に近づいて拾おうと)

イアリス/096:「ところで…あなたのレリックは、見た所、太陽光をエネルギーとしているようだ。
先程の悪天候では、エネルギーの残量も残り少ないだろうな?」

ジャン/097:「は?だからどうした。今は晴れているし、屋内の光だろうと充電は…」

イアリス/098:「だがもし、"偶然"その充電機構(じゅうでんきこう)が故障したら?」
(ページをめくる音/イアリスの日記が勝手に開き、文字が描かれる)

ジャン/099:「な、なんだと…勝手に本が…!?くっ!!」
(ジャンの義手、バチバチッとスパークして故障する)

イアリス/100:「今だ、2人とも!!」(リュッケ達に)

ジャン/101:「くっ…!この程度で!!」(刃物音)

ミリィ/102:「同じ攻撃なんて喰らわないわよ!…リュッケ!!」
(途中、氷の音/攻撃を防ぎ、リュッケに声をかける)

リュッケ/103:「了解ッス!」(オーラブレイド振りかぶる)

ジャン/104:「遅いッ!…って!…エネルギー切れ、だと…ッ!!?」(途中ぷすん、と機械音)

リュッケ/105:「でりゃッ!ッス!!」(オーラブレイド一閃)
(スパーク音と爆発音/ジャンのレリック、完全に破壊される)

ジャン/106:「お、俺様のレリックが…ッ!!」

リュッケ/107:「やったッス!」

ミリィ/108:「さ、どうするの?まだやる気?」

リュッケ/109:「やる気ッスか?」
(じりじり、と2人、ジャンの方に)

(ジャン、じりじり後ずさる)
ジャン/110:「は…ははは。…こ、今回の所はこれで勘弁してやろうじゃないか!
ていうか覚えてろよ!次は絶対泣かすからな!バーカバーカ!!」
(子どもっぽく言ってダッシュで逃走)

リュッケ/111:「あ、逃げた!」

イアリス/112:「レリックがなければあの程度、か」(呆れて)



【5】

リュッケ/113:「ばっちり勝利ッス!!ところで、よくわかったッスね!あいつのエネルギー源が太陽だって」

イアリス/114:「あぁ、エネルギーを使うような構造の割には、大掛かりな発電機構(はつでんきこう)や
エネルギー源は見た所ないようだった。他にエネルギーに使えそうなものは、ここでは自然光(しぜんこう)と
空気くらいだからな。可能性から言ってみただけだ」

リュッケ/115:「ふーん。…難しくてさっぱり全然わかんないッスけど!」

ミリィ/116:「…いや、ちょっとはわかりなさいよ、あーた」(呆れて)

ミリィ/117:「でも、なんであたし達を助けてくれたの?さっき会ったばかりなのに」

イアリス/118:「お前達こそ、私を守ろうとしてくれただろう。さっき会ったばかりの私を」

イアリス/119「それに…私はさっさとこの日記を使い切って消えてしまいたいのだよ。
しかし、世界規模で物事を変えてしまうこの力を、私の独断で使おうなどという事はしたくない。
もちろん、あんなしょぼくれた軍に好きなようにさせるつもりも無いのだがな。」

ミリィ/120:「消える、って…」

イアリス/121:「この本も私も、ある種のエネルギー体だ。使い切れば、消える」

リュッケ/122:「でも、イアリスのおかげで助かったッス!
未来を創れるなんてすごい力だと思うッスよ!尊敬するッス!」
(元気よく)

イアリス/123:「リュッケ…貴方は、少し変わった人間だな」(ちょっと笑って)

リュッケ/124:「偶に言われるッス!」(えっへん、と)

ミリィ/125:「そーゆーヤツなのよ、こいつは」(笑って)

イアリス/126:「私は今まで、この塔と共に朽ちて消えることを望んでいた。
…だが、私はお前達の創る未来が見てみたくなった。一緒に連れて行ってはもらえないだろうか」

リュッケ/127:「もちろん!いいッスよ!」

ミリィ/128:「待ってよ、リュッケと一緒に行くってことは…あたしはどうしたらいいの?
おばあちゃんに絶対見つけてくるって言ったのに!」(ちょっと怒った/困った感じで)

リュッケ/129:「じゃあ、3人でミリィのばあちゃんとこに寄ってから、旅に出るッス!」

ミリィ/130:「旅って何よ?」

リュッケ/131:「もちろん!BIG!になる為の旅ッスよ!」

ミリィ/132:「えー、何ソレ!?」

イアリス/133:「それも面白そうだ」(笑って)

(BGMフェードアウト/キャストコールへ)



【6】
リュッケ/134:リュッケ・アルスター、(キャスト名)

ミリィ/135:ミリア=フィアージュ、(キャスト名)

イアリス/136:イアリス、(キャスト名)

ジャン/137:ジャンヴィエ、(キャスト名)

リュッケ/138:ボイスドラマ「黄昏賢者(たそがれけんじゃ)」

ミリィ/139:編集・脚本、さのや

イアリス/140:制作・提供は「Variable Entertainment Team(ヴァリアブル・エンターテイメント・チーム)」
ことV.E.T.でお送りしました。